小説:
伝説の勇者の伝説1 昼寝王国の野望
鏡貴也
アニメ化された時に(時間的余裕がなくて)1話切りしてしまったのを後悔していたので購入して読んでみた。
で、読みながら「なんかおかしいな…?」という感覚がどうにもつきまとって、あとがきでやっとその理由が明らかに。
もともとこの作品は短編の連載で、それを文庫化する時に「前日譚」である1巻が書かれたのだそうな。
つまり本編を知らないままでいきなり外伝を読んでしまったようなもので、そりゃ違和感ありまくりで当然という。
このあたりは新人賞応募作でも意識して気をつけないといけないなぁと思ったのだった。
伝説の勇者の伝説1 昼寝王国の野望 (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 鏡貴也,とよた瑣織
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 富士見書房
- 発売日: 2012/09/01
- メディア: Kindle版
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小説:
売り渡されたプリンセス
ケイトリン・クルーズ、平江まゆみ 訳
いわゆるハーレクイン物。
自分の認識では、ハーレクインの典型的なテンプレに「2人の恋愛の障害となるような『問題』をヒーローが抱えている(それが解決されてハッピーエンドを迎える)」というのがあるのだが。
ところがこの作品では、ヒーローも問題を抱えてるがそれより更に深刻な問題をヒロインが抱えているところから物語がスタートする。
テンプレに沿いつつテンプレを外すとはこういうことかと、かなり勉強になった。
- 作者: ケイトリンクルーズ
- 出版社/メーカー: ハーレクイン
- 発売日: 2011/11/20
- メディア: Kindle版
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マンガ:
ダンジョン飯 5巻
九井諒子
第2部開始、でこれまでの巻とはずいぶん雰囲気が違うという印象を受けた。
人気が出て長期連載化したために変質したというよりは、長期連載化したおかげで「これまでも存在したが描かれていなかったこと」を描けるようになったのかなと、邪推。
ただ、雰囲気が変わってしまったと思って離れてしまう読者もいるのじゃないかなーと。
この辺り、なかなか難しいなぁと感じた。
- 作者: 九井諒子
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / エンターブレイン
- 発売日: 2017/08/10
- メディア: Kindle版
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マンガ:
天堂家物語 4巻
斎藤けん
天然純朴鈍感ヒロインに空回りを続けていたドS俺様坊ちゃまだったが、ようやくヒロインが「坊ちゃまのことを意識している自分」に気づき、坊ちゃまが大喜びして2人の仲も大きく進展か?!
かーらーの、急転直下のどん底状況。
いいぞいいぞ、もっとやれ(やんややんや(←ドS読者
どうやらようやく主要キャラも出揃ったようで、起承転結の起(あるいは序破急の序)が終わったところなのかなと。
どん底状況からはいずれ回復するのだろうけれど、何がどうなっていつ回復するのか、楽しみである(←ドS読者
- 作者: 斎藤けん
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2017/12/05
- メディア: Kindle版
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小説:
わたしを離さないで Never Let Me Go
カズオ・イシグロ(著) , 土屋政雄(訳)
ノーベル賞受賞の報が流れるちょっと前に(たまたま)購入していて、ネタバレをくらいそうだったので慌てて読み始めたという(笑)
ある施設で育てられた特殊な境遇の子供たちの人間ドラマ。
「特殊な境遇」がSF的なのだが、これはあくまで人間ドラマを描くための演出としての設定だなと自分は解釈した。
一番「これは真似したい」と思ったのは、語り手は知っている、他の登場人物や聞き手も知っている、読者も薄々気づいている、重大情報を明示するタイミング。
とても唸らされた。
- 作者: カズオ・イシグロ,土屋政雄
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/08/22
- メディア: 文庫
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